2022 年に下降局面を経験した世界のグリーン経済は、2023 年、元の状態への回復を遂げました。2022 年のグリーン関連株は、高インフレ、金利上昇、地政学的緊張などさまざまな要因が絡み合い伸び悩みました。しかし、2023 年第 2 四半期末までに市場のグリーン企業の時価総額は 2021 年平均の 9% 超まで回復するに至っています。
金融情勢の動揺とは裏腹に、グリーン経済は着実に成長を続けています。上場企業全体のグリーン収益は 2025 年までに 5 兆米ドルを超えるペースで推移しており、グリーン経済の時価総額は株式市場全体の 10% に迫る勢いです。
各グリーン企業の規模、投資可能性が拡大していることからも、グリーン経済が成熟し、多様化していることが見て取れます。ピュアプレイ銘柄 (収益の 100% がグリーン収益である企業) の平均時価総額は、2023 年 6 月時点で 70 億米ドル以上に達し、2016 年から 6 倍以上の伸びを見せています。
米国のインフレ抑制法や EU のネットゼロ産業法など、各国政府によるクリーン・エネルギー開発の強い後押しがありますが、グローバル・サプライチェーンを分断し、重要な原材料を確保しようとする動きは、業構造的な非効率性をもたらし、世界のグリーン経済の成長を減速させるおそれがあります。
- FTSE Russell の主要レポートでは、世界のグリーン経済に関する最新情報の第四弾を公開しています
- 本レポートでは、FTSE Russell 固有の精密な Green Revenues データを基に、上場株式ユニバースで形成される世界のグリーン経済を詳細に分析し、また初めての試みとして、グリーン経済にまつわる新たな地政学についても論じています
- 本レポートでは、Green Revenues データを活用してグリーン経済における投資機会を特定、分析し、気候および環境ソリューションに対するポートフォリオ・エクスポージャーの測定する方法を紹介しています